母が入院したのは、8月31日のことでした。
それまでは同居していましたが、母の身体状況や認知症の症状を考えると、退院後も自宅で暮らすことには不安がありました。
共働きのため、日中は母が一人になってしまいます。寝室からトイレに移動するにも、出てすぐに下り階段があり、一人での移動は危険です。
そこで、退院後は有料老人ホームへの入居を進めることにしました。
しかし、施設を探すのは簡単ではありませんでした。今回は、母の入院から有料老人ホームを決めるまでの経緯を、実体験をもとにお話しします。
1. 母の入院と退院後の生活への不安
救急車で搬送され、肺炎で入院
8月31日の朝、出勤の準備を整え、母の朝食を用意し、寝室をのぞきました。すると、母がベッドから起き上がれず、苦しそうにしていました。
パルスオキシメーターで血中酸素濃度を測ると、なんと68という低い数値。慌てて在宅酸素を装着したものの改善しません。「どうしよう?」頭がパニックになりかかりました。その時、かかりつけ医から「なにかあったらすぐに救急車」との指示を思い出し、119番に連絡しました。
母は搬送を嫌がり、救急隊員の応援も必要になるほどでした。
病院で検査を受けた結果、細菌性肺炎と診断され、そのまま入院することになりました。

入院後も自宅での生活は難しい状態
入院後、母は車いすを使わなければ移動できず、トイレもナースコールで看護師を呼ぶ状態でした。
9月11日、病院のソーシャルワーカーと面談し、今後の生活について相談しました。
私は、共働きで日中は一人になること、自宅内の移動にも危険があることを説明しました。
ソーシャルワーカーも「それだと在宅での介護は難しいですね」と理解を示してくれ、退院後の受け入れ先を探すことになりました。

転院と介護認定のやり直し
在宅酸素が必要な母は、父のときに利用した老健施設では対応ができないとのことでした。
また、6月に要支援1と認定されたばかりでしたが、今回の体調急変を受けて、改めて介護認定を申請することになりました。
9月25日、回復期をみてくれる地域包括ケア担当の病院へ転院。
その後、10月9日に要介護2の認定が出ました。希望としては費用が抑えられる特養老人ホームへの入居ができればと思っていました。しかし、特別な事情がなければ要介護3以上の認定が必要なため、有料老人ホームに移すしかないとハラを固めました。
転院先では入院期間が60日以内と告げられ、その間に次の生活場所を決めなければなりません。すでに2週間が経過しており、受け入れ先探しを急ぐ必要に迫られました。
2. 有料老人ホーム探しに奔走した日々
母の希望も考慮し、杉並区内を中心に探す
10月16日、病院の相談員と面談し、有料老人ホームへの入居を進める方向でお願いしました。
母は自宅に帰りたいという気持ちが強く、「区内がいい」「施設に移るときには家に寄りたい」といった希望も口にしていました。
本人の希望をできるだけ尊重したいと思い、まずは杉並区内を中心に探すことにしました。
有料老人ホームの費用をどう賄うかが最大の不安
相談員からは、杉並区内の施設は費用が高いので、近隣の区や周辺市にまで対象を広げて探すことをすすめられました。
web上で有料老人ホームを探してみると、入居金に数十万から1000万円超もかかるところもありました。再雇用の身で夫婦の生活費ですらアップアップの状態のわずかなサラリーではとても賄えるそうもありません。
父の年金は、父自身の特養老人ホームへの支払いで使いきってしまいます。母の収入は国民年金だけでしたが、二人の老後資金として少しばかりの貯金があり、それを取り崩せば、月額費用だけなら数年間は何とかなります。
相談員の説明によれば、有料老人ホームに入った後、要介護度が上がり、特養に移る方も増えているそう。そのため移りやすくするために、入居金を0円にするところも増えているとのことでした。
少し安心し、入居金0の施設を中心に探してもらうことになりました。

紹介業者やインターネットを利用して見学先を探す
10月19日、病院の相談員から「ちょうど割引キャンペーンをやっている施設がありました」と杉並区内の施設を紹介してもらいました。
ところが見学直前に、その施設が満室となってしまうというハプニング。結局、同系列の隣接区にある別施設へ見学先が変更となりました。
見学しても決め手がなかったため、もう少し探してみることにしました。
相談員に他の施設を紹介してくれるよう、改めて依頼。任せきりにしないで、自分でもインターネットで調べてみました。「ケアスル介護」のサイトから施設紹介や見学予約ができることを知り、申し込みました。
複数の施設を紹介してもらい、翌日には見学の予約まで進めることができました。
施設見学を重ね、ようやく候補が見つかる
11月1日、3か所の施設を見学しました。
当初は、施設の新しさや費用面から見て、2か所目の施設に入れればと思っていましたが、残念ながら満室とのこと。
一方、3か所目は杉並区内の新しい施設で、費用面が心配でした。
ところが、ちょうど特別割引キャンペーンがあり、想定していた金額に収まることが分かりました。
母が希望していた区内の施設でもあり、ここなら何とかなると考え、入居を決めました。
老人ホーム決定の要件は
今回、選択した際に検討したのは以下の要素でした。
- 費用が払える範囲内に収まっているか
- 在宅酸素吸入器が使えるか
- 医療体制がしっかりしているか(24時間訪問診療対応可能)
- 看護師が常駐しているか(日中のみ)
- 介護士の割合(入居者3人に対し介護士1人が担当)
- 母の希望である立地条件に該当するか(区内など)
- 居室が個室か(2027年4月から原則個室化とすることが厚生労働省令で定められました)
- 施設内が清潔か(匂いなども含めて)
- 居住者の表情が明るいか
- 職員の対応が丁寧か
- 居室の広さや環境、日当たりなど
今回決定した有料老人ホームは、いずれも満足できると感じました。
紹介業者の選択も大切な要素でした
結果として感じたのは、施設の紹介業者選びが大切だということ。
今回、病院に紹介された業者はスピード感が合いませんでした。11月20日過ぎには転居しなければならない私の身からすると、物足りませんでした。
ネットで私が見つけた「ケアスル介護」という業者は反応も早く、担当者も丁寧で、見学前日にも確認の連絡があり、見学直後にも感想を聞くための連絡がありました。
自分で施設探しに取り組んでみて良かったと感じました。
3. 母への説明と有料老人ホームの決定
母の誕生日に入居先を伝える
11月3日は母の誕生日でした。
お祝いを用意して面会に行き、その際、有料老人ホームを決めたことを伝えました。
すると母は、「区内じゃない方がよかった」「施設に移るなど初めて聞いた」と言い出しました。
これまで何度も説明してきたつもりでしたが、本人の記憶には残っていなかったようです。
本人の希望を尊重しながら、改めて説明
私は、これまでのやり取りを振り返りながら、母が希望していた区内の施設をようやく見つけられたことを丁寧に説明しました。
すると、少しずつ思い出したようで、何とか施設に移ることを納得してくれました。
本人の希望と、家族が考える安全な生活。その両方を考えながら進めることの難しさを、改めて感じた出来事でした。
施設を決めるまでに感じたこと
今回、母の有料老人ホームを探す中で、病院の相談員や施設紹介業者の協力が大きな助けになりました。
また、施設を探すだけでなく、本人の希望を聞きながら、費用や立地、受け入れ条件などを考える必要がありました。
母にとっても、私たち家族にとっても、安心して生活できる環境を整えることが大切です。
まだ入居はこれからですが、まずは行き先を決めることができ、少しだけ肩の荷が下りた気がしています。
今後、入所する施設からの面談などのハードルが残っています。また、母が納得し、喜んで生活できるかどうかは移ってみないと分かりません。
親の介護は、思いどおりに進まないことも多いものです。
それでも、家族だけで抱え込まず、専門家の力を借りながら、一つずつ進めていくことが大切だと感じています。







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